ピボット・ストラテジー: 未来をつくる経営軸の定め方、動かし方
本書から何を得たいか
ピボットについて
「賢明なピボット」とは何か
未来を拓く「賢明なピボット」を自分自身で行うためには?
どの業界が変化の影響を受けやすいか
成功企業はどのように自分たちのチャンスを見つけるのか
創造的破壊に対して、先頭を行く企業はどのようにピボットするのか
ビックバン型創造的破壊
圧縮型創造的破壊
自分たちに現在の成功をもたらした、組織の中心にある資産(企業文化含む)を維持しながら、それぞれの未来への道を見つけなければならない
市場への浸透に合わせて急速な将来事業の拡大
需要減少時には同じ速度で事業規模を縮小できるようにしなければならない
撤退の速やかさも大事だよなmeganii.icon
NetflixもDVDレンタルサービスから始まった
賢明なピボットをマスターするには、過去の事業・現在の事業・未来の事業を通じて、継続的で勇気ある変化を進めなければならない
未来の事業もいつかは過去の事業になり、同じサイクルが続いていく
リーダーはそれぞれの投資比率
自分自身への投資も同じだと思った
現在の価値を提供できるのも、過去に両親が投資してくれたおかげ
自分自身が学習に投資してきたおかげ
市場の非効率性が原因で長い間「封印された」状態
満たされていない潜在的な需要をターゲットにしてそれを解放する
なぜ封印されるのか
これまで多くの労力をかけて構築してきた資産や、サプライヤーとの関係、顧客基盤、そして人的資源が、それに対応できる柔軟性をもっていない
潜在的収益価値を発見し、解放するスキル
7つの過ち
1. 組織をあまりにリーンにし過ぎる
2. 資本構成で失敗する
3. リーダーを失う
4. ウォール街の方を向いて経営する
5. 運にかける
6. 消費者ではなく規制に合わせる
7. 現れることのない顧客を待ち望む
p110
7つの勝利戦略(デジタル・ファーストのアプローチ)
テクノロジー主導
絶え間ない関係構築
データ主導型の事業展開
インテリジェントな資産管理
包摂的なアプローチ
新たな人材管理の導入
エコシステムの活用
私たちが調査した企業の多くは、長年のうちに応急処置が繰り返され、妥協の産物となったITシステムと共にピボットを開始せざるを得なかった。
テクノロジー負債
データベースを構築するのではなくファイルをリンクする
保守不可能なシステム上に新しいフロントエンドをつなぎあわせる
組織のさまざまな場所で同じソフトウェアの互換性のないバージョンを実行する
消し去るためには混乱を解消するとともに技術インフラを戦略的資産へと発展させるために十分な投資を新たに行う必要がある
自社のITインフラが古くなり、レガシーシステムに追加される機能が増えていくと運用の固定費が増大し、イノベーションに使われるはずだった投資が応急処置に向けられてしまう
デジタルネイティブ企業はアプリケーションやキャパシティ、インフラをクラウドサービスプロバイダーからリースすることで、システムが陳腐化するリスクを回避することが多い
真の意味で「テクノロジー主導」戦略を採用するために最初にすべきことは、自社のテクノロジー負債を精算して、それを再び蓄積しないようなIT統制に尽力すること
古いモノリシックシステムの切り離し
より小さなモジュール式のコンポーネントに変換すること
APIの構築
クラウドベースのプラットフォームへの移行
マイクロサービス・アーキテクチャへの移行
自らのインフラの重さに押しつぶされてしまう組織から、デジタル資産が足を引っ張るのではなく、後押ししてくれるテクノロジーが推進する組織への変貌
保険ブローカー タワーゲートの事例
過去20年で買収(300社)を繰り返し成長してきた
買収した企業が自らのIT資産を持ち込み、非常に細分化したIT環境が出来上がってしまった
サポートするITアプリケーションの数を2500から200に減らす
ローカルサーバの3分の2を廃止
既存企業が持ち、新規参入者が持ちえない優位性のひとつは、数十年かけて慎重に集められてきた、業界固有の詳細なデータ
アクセンチュアのクラウドへの移行が生み出した利益は
直接的なコスト削減
ストレージや法令遵守に掛かるコストの削減
迅速かつ費用対効果が高い形で新しいテクノロジーを活用するか能力の実現
「潜在的収益価値を解放している」と判定される企業の半数以上が、
ユーザー自身が収益を生み出せるサービスの構築を検討
顧客のより高いレベルのニーズ(自律性や幸福、社会的つながり、自己実現、創造性、意義など)に応える新しいサービスを開発中
Siemens
マインドスフィア MindSphere
7つの勝利戦略は、懸命なピボットを行うためのスキーのストック
ストックを突き刺して重心を傾けることで方向 転換できる
162p
本当に賢明なピボットとは、繰り返し行えるもの
過去の事業・現在の事業・未来の事業というライフサイクルの3つのステージを通じて継続的にバランスの修正を行う、動的な投資ポートフォリオとして管理する
賢明なピボットとは、絶えず進化する戦略を採用することを意味する
アクセンチュアのピボット例
アウトソーシングのソリューションへの対応
従来のコンサルティングサービスをバックオフィスシステムから、クライアントの顧客に直接かわるアプリケーションへと移す
クラウド運用
ソフトウェアのテスト工程の大部分を自動化
素早い後追い
p179
アクセンチュアのピボットの実行
過去の事業・現在の事業・未来の事業それぞれにおいて何度も繰り返される
課題
1. ポジショニングの変更
ビジネスの焦点を消費者サービスやユーザーエクスペリエンスの設計と実装といった新しい領域へのシフト
2. 新しいサービスを提供するためのスキル不足
3. 投資、予算編成、資源配分のプロセスが当時の中核事業の効率的な運営に対して最適化されていた
イノベーションのビボット
イノベーションのための資源を確保し、投入しなければ、中核事業を再構築することはできず、ましてやその次の姿へ発展させることはできない
未来の事業のための特許取得
組織全体でイノベーションを調整し、普及させる責任を負う組織と、そのアプローチの両方を公式化することが重要
財務のピボット
人材のピボット